保険金属が原因で扁平苔癬(へんぺいたいせん)を発症した患者様
お口の中の頬の裏側に白いレース状の模様が出る扁平苔癬という疾患がある方でした。かゆいなどの症状はあまり出ないのですが、粘膜がヒリヒリとした状態が続くそうです。金属アレルギーの検査の結果、陽性反応を示していました。総合病院の口腔外科にて、診察していただいたのですが、今のところ病理検査でも悪性の反応は出ていないので定期的に様子を見ていきましょうとのことでした。
当院にても、クリーニングに通っていただいてる方でしたので、金属を外していきましょうとお話しさせていただいていたのですが、やはりその後のかぶせ物が保険が使えない、また、外してもよくならない場合も半分ぐらいあることを調べてみて、なかなか治療に踏み切れていませんでした。
確かに確実に良くなると分かっていることになら、お金をかけることはできるんですが、半分の確率なら迷うのは当たり前ですよね。
そこで、ご提案として、「いきなり全部の金属を外すのではなく、大きな原因であると思われる歯を数本外して仮歯で6か月ぐらい様子を見て、それでも症状がよくならないようなら、保険を使ったかぶせ物を入れていきましょうね」 ということをさせていただきました。
それならばということでご了解を得て、金属の除去を始めていきました。まず一本外してから、「ヒリヒリした感じがなくなりました」と言われ、口腔内は白い模様がほとんど消えてなくなりました。また舌の先がヒリヒリする舌痛症もあったのですが、今は舌の先のヒリヒリ感も消えてなくなっているそうです。この方は仮歯で経過観察をしていきますが、外してよかったなと思った瞬間でした。
唇にも白い模様があったのでかなり気にしてみえたとのことでしたが、今は普通の状態になって喜んで見えます。