かぶせ物の土台が原因で皮膚アレルギーを発症した女性の患者さん
当院にても次のようなことを経験しました。その患者様は3カ月前に奥歯が欠けてしまい、他院にて神経の処置をして、金歯(ゴールド)のかぶせ物を入れられたそうです。
テニスをされるとても活動的な方なんですが、銀歯はかみ合わせによくないことを聞いていて、今回は金属を使わないセラミックを入れたいと歯科医の先生にご相談されました。セラミックは割れやすいので、金歯(ゴールド)をオススメされ、金歯(ゴールド)を入れられました。
その後1カ月も経たないうちから、皮膚のかゆみを覚え、夜も1時半、3時半、5時半と三回も目が覚め、これでは体がだるくて折角好きなテニスも面白くないと悩んでみえました。その後の歯科医師とのやり取りは深く聞いていませんが、もちろん皮膚科も何件も受診されましたが、どこも同じ診断をしてもらい、同じお薬を処方されたのですが、一向に良くなる気配がありませんでした。塗り薬を塗ってもかゆみはなくならなかったそうです。そこで皮膚科の医師に言われたことが「このかゆみと一生付き合っていかなくてはならないよ」といわれ、その方はこんなの絶対嫌だ思われ、当院を受診されました。
最初よくお話を聞かせていただき、症状の確認をさせていただきました。その方は金歯以外にも銀歯が多く入っておられました。これは今回治療された金歯ではなく、金歯の下に入っている歯を補強している土台が悪いのでは という一応の結論を下しました。
しかし、「他にもいろいろ金属が入っているので劇的に症状の改善は見込めないかもわかりません」とお断りしてから、金歯、土台を外して一週間様子をみることにしました。
次の来院時に症状の確認をさせていただきました。「すべてがよくなったわけではありませんが、外す前の1/10ぐらいに症状が軽くなりました。それと夜中かゆみで目が覚めなくなりました」とのことでした。
私の中には確固とした根拠はあったのですが、患者様も生身のお体です。他にも銀歯が多かったので、一抹の不安は残っていました。ましてや保険外で入れていただいた金歯を外すことになるわけです。相当な根拠を持たないとできることではないです。このお言葉で自信が確信に変わりました。お役にたててよかったなと心底思いました。その後は仮歯で6か月ほど経過観察していくんですが、やはり好きなテニスを楽しみたいとのことで、仮歯でなく最終のかぶせ物をしていくことになりました。現在は皮膚の赤みも消え、かゆみはほとんどなくなり、喜んでみえて、明るい笑顔で来院されています。この方の手記を掲載させていただきます。(この方は自分と同じように苦しんでみえるかのお役にたてればということで書いていただきました。もちろん公開は了解済みです)